疲れない日々のブログ

無理しないように思いつきで生きていく

美味しい桃の季節

元気な頃の母に尋ねました。


「人生最後に口にするものは何がいい?」


「桃」


シンプルな答えでした。


そして その通りに桃の季節に、大きな桃の3分の2を


食べ、2日後に逝きました。


入れ歯を外した口で美味しそうに、にこにこしながら


もぐもぐと、それはそれは美味しそうに、もぐもぐ ...。


フォークで口に運んであげるたびに、小さく開けた口の中へ


桃の一切れが入っていき、もぐもぐを繰り返し、3分の1を


残したところで 「もう、ええ」。




「あんた 元気でおりよ。」


これが最後の言葉でした。


意識のない日が2日続いた後、遂に他界してしまいました。


一年前のことでした。


母に会いたい。 無性に会いたい。 もう一度、桃を食べさせてあげたい。


あのにこにこと、美味しそうに桃を食べた顔を見たい。


桃よ 桃よ ありがとう。 母を喜ばせてくれて ありがとう。